桜と言えば、卒業&入学シーズン。私たちのアニメ業界もこの季節は出会いと別れが
交錯します。そう、4月からの新番組のための動きと、今までやって来た作品の
最終回が重なる頃です。実はアニメ業界、スケジュールが予定通りに行くことが少なく、
大体押し押しになってしまい、終わる筈の時期に終わらず、スケジュールが
こぼれてしまうことが多いです。なので、意外と今の時期は最終回の忙しさと
番組立上げのパニックでカオス化することが多いのです(笑)
そうなると売れている声優さんたちは大変~!だって今まで長く関わってきた作品の
最終回の収録終わりは「お疲れ様」「ありがとう」「また良い作品作ろうね」など
握手し合ったり、涙しあったりの感動のフィナーレなのに、次の現場が新番組の
第1話だったりするとみんなピリピリとした緊張感で待ち構えていたりします。
前日のリハVチェックも大変だと思います。(←リハVチェックとは収録映像を事前に
見て演技プランや分析をすることを言います)勿論声優さんも人の子のなので
最終回は思い入れが強く、長く関わった作品など、そのキャラクターに相当シンクロ
しているので素敵な最終回になるようにいつもよりリハVチェックも力が入っちゃったりします。
なのにもう一本の作品は新番だと、どうやってこのキャラクターを演じるのか?
ああでもないこうでもないと悶々と考えちゃったりします。今までやって来たものの
集大成を考えるのと、1から新しいものを考えるのが同時に来ちゃいます。
そして当日ついさっきまでは終わりの大感動だったのが、僅か数時間後には
始まりの緊張感の中にいる… 売れている声優さんはこのジェットコースターのような
感情の変化にこの時期は対応しなくてはならない。大変だと思います。
でもそういうことを口にせず現場で切り替えて頑張っている声優さんたちを見ると
凄いな~と感服します。
くれぐれもそれはドライだからできる技なのではありません。プロとして一つ一つの
作品を大切に思わないとできない技です。
でも、スタッフたちはなかなか切り替えができません。特に絵のスタッフたちは
その作品だけにどっぷり浸ってしまうからなかなか抜け出せません。
よく監督さんで前回作品の話をする方がいらっしゃいますが、ちょっと今の現場の
人間としては寂しい時があります。ですが致し方ないと思います。きっと次の作品で
現作品のことを語ってくれると思うので。
その時に悪い意味で語られないように頑張ろうっと!
(抜粋)
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20140228/enn1402280931007-n1.htm